共に眠る
5題-5.夢の中でも会いたい
「眠るのもったいねぇな」
半分まぶたの落ちかけた瞳をこちらに向けて、平助さんが口の端をあげた。
布団の中顔を見合わせているのが夢のようで
「もったいないよね」
言葉をなぞってそのまま返せば、平助さんはふっと鼻で笑う。
「でも、もうお前眠いんだろ」
「……うん」
閨の中、平助さんにたくさんたくさん愛されて、
もう立てないくらいに私の体はへとへとだった。
指を伸ばして、汗で捩れた私の髪を耳に挟み込むと、平助さんは目を瞑った。
「夢の中でも会いたいな」
私が言うと、平助さんも小声でそうだなと相槌を打った。
平助さんの手を握りしめたまま、
閉じようとする重い瞼を何度も何度も押し上げて、
それでも私は遂に迫る睡魔に負けて仕舞ったようで、
一足先に眠ってしまった平助さんの寝息を子守歌にして……